ヘッドライトレンズの劣化と対策
◇ヘッドライトレンズの素材
ヘッドライトレンズの素材は主に『ポリカーボネート樹脂』という素材が使われています。この素材はガラスよりも柔軟な加工が可能で、耐衝撃性に強く、破損した場合も破片が飛び散りにくい特徴をもっています。
◇ポリカーボネート樹脂の弱点と劣化の原因
ポリカーボネート樹脂は耐衝撃性に優れている一方で、透明度を維持する耐性に弱く下記が原因で劣化してしまいます。
・紫外線
ポリカーボネート樹脂は紫外線を吸収しやすい素材です。紫外線を吸収すればするほど黄変劣化し、レンズが曇っていきます。紫外線はヘッドライトが劣化する最大の原因と言われています。
対策→車用のシートカバーや直射日光の当たらない屋根や日陰のある駐車場に駐車して紫外線の吸収を防止する。
・ヘッドライトバルブの熱
ポリカーボネート樹脂の耐熱温度は120℃~130℃です。アクリル系の素材としては耐熱性に優れていますが、HIDバルブやハロゲンバルブの場合はヘッドライトを点灯し3分ほどでレンズ内の温度は300℃を超えるため、徐々に熱が伝導し内側からレンズが白く曇る原因となります。
対策→LEDバルブに変更する(LEDバルブはHIDバルブやハロゲンバルブに比べ点灯時の温度が半分以下のため)
・傷
ヘッドライトは取付箇所が車の前面のため、走行中の飛び石や悪天候時の砂などにより傷付き汚れが付着してしまいます。傷ができた部分に汚れが付着すると洗車をしても汚れが取れづらくなり、細かい傷が増えれば増えるほど汚れが傷の溝に蓄積され、ヘッドライトレンズ変色の原因となります。
対策→プロテクションフィルムを張り、飛び石などの傷や悪天候時の汚れからレンズを守る。紫外線カットフィルムもあるため、同時に紫外線予防も可能です。
◇ヘッドライトレンズの劣化と車検
ヘッドライトレンズの劣化が酷くなるとヘッドライトの明かりがレンズの黄ばみや汚れに遮られ、充分な光量が照射できなくなります。その結果、光量不足で車検に通らない可能性があります。
◇ヘッドライトが劣化してしまったら
外側に軽度な黄ばみがある場合は、市販のクリーナー等で除去することも可能ですが、重度の黄変劣化や傷が深い場合は完全に除去することは難しいです。
著しく劣化してしまった場合は、専門店へ相談してクリアコーティング
することをおすすめします。長期間透明感のある状態を保つことができます。
(研磨・コーティング前のヘッドライト)